SB1070で激しく揺れるアリゾナ州

コロンビア出身のスター、シャキーラがフェニックス市庁舎で、フェニックス市のゴードン市長と記者会見。「アメリカは移民の国。ラティノの人たちに支えられていることを忘れてはならない。」とSB 1070に反対を表明。

 

 

フェニックス市長は、州を相手に訴訟を起こした。記者会見では、市長に対して脅迫のファックスが送られてきていると、そのファックスをカメラの前で見せた。「裏切り者に死を」と書いてある。

俳優のダニー・グローバーがフェニックスで記者会見。SB 1070は人権尊厳を侵害する法律だと、反対の意を表明した。「自分は対話を信じる。ボイコットはしない方がいい。」と表明。

   
全州をゆるがす新法

4月23日、アリゾナ州知事、ジャン・ブルーワーは、「法施行と地域の安全を守る法令(Support Our Law Enforcement and Safe Neighborhoods Act)の法案に署名した。一般にはシネート・ビル1070と呼ばれ、英語ではSB 1070という。
メキシコと国境を接するアリゾナには、大きな課題がある。それは、不法滞在者。とりわけヒスパニック系の不法滞在者が急増しているのは現実だ。その現実の上に、メシキコから麻薬密輸やギャングによる凶悪犯罪が絶えず、警察が標的とする犯罪者に不法滞在者が多いという事実もある。
こうして、一般市民が不法滞在者イコール凶悪犯罪者という印象を強くして来ている。こうした現実の中で伝統的に共和党保守が強いアリゾナ州では、政治がらみから、強引に不法滞在者を州外に追い出す法案ができあがってきた。とりわけ、民主党推薦のオバマが大統領となり、民主党の前州知事ナポリターノが新政権下の国土安全保障長官に任命され、州知事の座を去った。この結果、自動的に選挙なしで、共和党のブルーワーが州知事となり、州政治は共和党にとってその勢力拡大のチャンスの場となった。共和党では、2年前の大統領選挙で、アリゾナ出身のジョン・マッケインが出馬し、オバマと争ったが、その結果は大敗となってしまった訳だ。共和党にとってみれば、連邦政府を非難して党勢力が伸びれば、次回の中間選挙に大きなプラスとなる。ジャン・ブルワー州知事は、「ワシントンが適切な処理を怠ってきた」とオバマ政権の移民対策を批判して、SB 1070の妥当性を強調している。

   
法律の目玉

さて、このSB 1070の目玉商品は、警察が「合理的に怪しい(reasonable suspicion)」と思った人間に米国滞在を許可する書類提出を求めることができるという点にある。要するに見た目に怪しければ、だれでも良い訳である。見た目はメキシコ人風で不法滞在者の可能性があると警察官が思えば、それで十分なのだ。

 

 

反対運動

これが大きな反対運動の火を起こした。白人がマジョリティーのアリゾナで、白人以外の人が「怪しく」見えれば、警察はだれでも身分証明を求めることが可能となる。マイノリテイーの人が当然標的となる。日本人でもメキシコ人に似ていると見られるかもしれないのだ。
反対運動者が強調しているのは、この法律が人種差別を促し、人権侵害につながること。そして、この法律では、不法滞在者の問題や麻薬密輸の問題の解決にならないことを訴えている。

 

 

ボイコット運動

この法律に強烈な不快感を持つ全米の多くの団体が、アリゾナに対してのボイコット運動を開始した。アリゾナで行われる予定であったコンベンションなどの大型行事にキャンセルが入り始めている。旅行産業は、アリゾナにとって大きな収入源だが、アリゾナへの旅行を差し止めする業者が出て来ている。州外からアリゾナの大学に入って来る予定の学生が、予定を変更して、他州の大学に入学を決める。こうしたボイコット運動が進めば、ただでさえ激減しているアリゾナ歳入に大きなダメージを与えることは必至だ。

 

 

賛成派

「非合法は非合法」。不法滞在なのだから、国から出て行くのは当然だと主張。長い間連邦政府は何もできなかったのだから、州がやるしかないと言う。ジョン・マケイン上院議員は、FOXというテレビ局のニュースで、ボイコットなどしたら、アメリカで生まれたアメリカ人だけでなく、ヒスパニック系アメリカ人にも悪影響が及ぼしてしまうと、ボイコットの非妥当性を強調した。そして、その上、7割以上のアリゾナの住民がこの法律に賛成しているのだ、と反論している。

 

 

中間派

反対側の意見もわかるが、不法滞在者も問題だ、という中間派も多い。施行が始まる7月からその動向を静観しようとする人たちである。

ともあれ、多人種、多民族、多宗教の国がかかえる大きな課題をどう乗り切るか。アリゾナに住む私達日本人も無関心ではいられない。

 

 

  本誌では、アリゾナで活躍している日本人弁護士の近藤ユリさんに、今回のSB1070に関して質問をしてみました。

移民法は、本来、連邦政府が施行する法律ですが、なぜアリゾナ州が移民に関する法律を成立させたのでしょうか。

 
 

表向きには、ブルーワー知事も法案作成関係者も、またこの法を支持する人たちも、みな「不法移民の問題は、全国的な問題であり、本来は連邦政府が移民法の改正やより厳格な実施により取締るべきものであるが、連邦政府が何もしないので、最大の被害を受けている州の一つであるアリゾナ州は、耐えられなくなり州独自の法を成立させた」というような意味の説明をしています。

より深い意味では、選挙対策であるとか、白人優先、白人多数の州の現状を守りたいなどという理由も挙げられています。後にもう少し詳しく議論してみましょう。

この法律は、ヒスパニック系の住民に大きな衝撃を与えていますが、アリゾナに住む日本人に与える影響はありますか。

 
 

この法律の目的は、ヒスパニック系の不法移民を取り締まるためと考えられていますが、ヒスパニック系に限らず、「ヒスパニック系に見えるかもしれない」日本人、日系人、ネイティブ(アメリカ・インディアン)、フィリピン系、その他のアジア人、中東系の人たちなどなど、いわゆるMajorityである(現在のところ)白人以外であれば、誰でも、警官の裁量による判断で「合理的な(不法移民であるかもしれないという)疑い」を持たれた場合は、警官により自動車の運転中であれ、歩道を歩行中であれ、ショッピングモールで買い物中であれ、呼び止められ「Paper Please(合法的に米国に滞在している証拠を見せてください)」と要求される可能性があるということです。この際、グリーンカード、パスポート、運転免許証などを提示することになるわけですが、運転免許証というのはアリゾナの免許証であれ、どこの州の免許証であれ、事実上は米国市民である証明にはなりません。運転免許証のみの提示でOKになるのか否かまだ不明です。念のためと考えると、いつもグリーンカードやパスポートを持参して移動するということになるのですが、これは、非現実的ですね。永住者や米国市民でいつもグリーンカードやパスポートをポケットやハンドバッグなどに入れて持って歩いている人は少ないと思います。むしろ、大切なパスポートやグリーンカード、市民権取得証明書、出生証明書などは、持ち歩いて紛失するといけないので、持ち歩かないようにというアドバイスをこれまでは受けてきた人も多い と思います。

まだ実施されていない法律なので、実施された時点でどのような不便が生じるか明確にはわかりませんが、「それではパスポートやグリーンカードを常に持ち歩けばよいのだ」と納得する人は少ないのではないでしょうか。そして、もし警官に職務質問さられたらいわゆる「Paper」を提示しなければなりませんが、その場で書類を提示して終わりという場合ばかりではないでしょう。ちょっと警察署に来なさい、とより正式な捜査の対象になったりすることもありえます。知事もその他の関係者も、いわゆるRacial Profiling(人種により差別的に職務質問や捜査の対象となること)は禁じられているし、絶対に行わないと宣言していますが、はたして、実際にはどうでしょうか?

「合理的な疑い」を持つにいたるには、警官は何をもって判断するのでしょうか?知事がなんと言おうとも、警察署長がなんと保証しようとも、やはり最初の印象が重要でしょう。不法移民かもしれないと疑問を持つ場合、肌の色というもの、人種が最も大きな要素になることは誰が考えても当然でしょう。おそらくスウェーデンからきた旅行者と数百年間先祖代々、アリゾナが米国の領土になる前からカサグランデに住み続けてきたヒスパニッ ク系の人でほとんどスペイン語しか話せない人がスコッツデールのダウンタウンを歩いていて、警官が「合理的な疑い」に基づいて職務質問した場合、一般的傾向としてスウェーデン人の旅行者でなく、ヒスパニック系の人を「職務質問」するので はないでしょうか。職務質問され、パスポートやグリーンカードを携帯していなければ、不法移民とみなされ、移民当局に引き渡されるというようなことも不可能ではありません。実際に、これまでも、ヒスパニック系の米国市民が国外に強制退去されてしまった実例が数多くあるようです。上記のカサグランデの住民 (米国市民)が、メキシコ領内にバスで連れて行かれ、「強制送還」されてしまうというような事態は十分あり得ます。ネイティブ(アメリカインディアン)の人が町を歩いていて職務質問され、市民であることを証明できず(彼らの場合は各部族のメンバーである証明書となるわけですが)、メキシコに「強制送還(???)」されてしまうというような事態も予測できます。ブルーワー知事は、記者の質問「不法移民とはどのような姿をしているのでしょうか?」を受けて、「わたしは典型的な不法移民がどんな姿をしているのかわかりません」ともっともらしく答えていましたが、そんな知事の回答をまともに信じる人はいないでしょう。誰の頭の中でもアリゾナで不法移民という言葉を聞けば「スウェーデンからきた金髪で青い目の白人」ではなく「ヒスパニック系の人」を思い浮かべるでしょう。Racial Profilingはしないという趣旨の、ブルーワー知事による苦しい弁解としか聞こえませんでした。

もともと犯罪を取り締まる警察官が、この法律では「合理的な疑い」がある者にはだれでも職務質問できるようになるということですが、「合理的な疑い」とはどんなことでしょうか。

 
 

この「合理的な疑い」とは一体何を意味しているのでしょうか。あまりにも抽象的かつ主観的で実際に警官が「合理的な疑い」に基づいて職務質問したのか否かということを後の時点で証明するということは不可能です。何が合理的な疑いかは、警官各個人により異なるでしょう。極端な話、白人至上主義の警官(皆無ではないと思います)が有色人種に敵意をもっており、嫌がらせにどんどん職務質問をかけ書類不備の人たちを国外退去させるという一連の行為を意図的に行った場合、誰が止めるのでしょうか?また単なる厭がらせに職務質問をするという行動に出た場合、「違法なRacial Profilingを受け、その結果不利益(国外退去や道路上で引きとめられ質問され、書類提示を求められたなど)を被ったということでアリゾナ州政府や郡を告訴することはできるでしょうが、このような訴訟に勝つには「警官が合理的な疑いに基づかずに職務質問した。違法であった」というような状況を証明する必要があるでしょう。しかし、基準が不明確な「合理的な疑い」は、警官の頭の中にその時点で存在していなかったということを証明するのは至難の技でしょう。

結論としては、この「合理的な疑いに基づいて」という基準は、極めて危険なものと言わざるをえないでしょう。これを乱用する警官がいれば、状況をコントロールできず、ヒスパニック系の住民、その他取締の対象になってしまう可能性がある少数民族の人々にとっては自衛が難しくなります。極端にいえば、強制退去の対象などにならなくても、非白人であれば道路を安心して走行・歩行できない、正当な理由なく職務質問され、書類の提示を求められるという「不愉快な被害」を受ける可能性があるだけで大変な心理的負担になります。白人であれば、ほとんど経験しないであろう職務質問を非白人であるという理由で受ける可能性が高まるということは、やはり、あるべき状態ではない、人種差別である、憲法違反であるという理由で裁判が起こるのも無理ないといえるでしょう。

州政府は、なぜこれほどまで厳しい不法移民の取締をしようとしているのですか。

 
 

表向きの理由としては、最初の質問に対する回答の中である程度説明したと思いますが、より深い、政治的な説明もいろいろ議論されています。

上記のグリハルバ議員は、人種の構成が急速に変化していることで、白人たちが脅威を感じており、白人優位の州という現状を維持しようとしていると主張が今回のSB1070 成立の動機であったと言います。このような議論を展開する人々は他にもおり、「Will Arizona Be America’s Future?(アリゾナは、アメリカの未来を示唆しているのか?)」という記事の中でWilliam H. Frey (Senior Fellow, Metropolitan Policy Program, The Brookings Institution)は、アリゾナは遅れた州であると思うかもしれないが、実は将来アメリカ全体で起こることがすでに先端的に出現している、将来はアメリカ全体がアリゾナで現在起きている現象を追体験することになるかもしれないと述べています。Freyによると、ヒスパニック系および他の移民からなる「少数派」がアメリカの将来の重要な担い手になる、そしてそのような全体的傾向の中でアリゾナ州は特にヒスパニック系を中心とする少数民族の住民数が急激に成長してきた州であると述べています。過去20年間をみると、ヒスパニック系の人口は180パーセント増加し人種間の構成は、白人が72パーセントから58パーセントに減少したというデータを示しています。さらに興味深いのは、白人とその他の「少数民族」との間の構成比を年齢別に見たデータです(下記の表を参照)。

 
   
 

アリゾナがトップでは、二つの世代間のギャップは40となっています。二番目はネバダですが、ギャップは34でアリゾナが突出しています。今回の法律の法案作成、両院通過に大きな努力を払った州上院議員ラッセル・ピアースはまさにアリゾナ州の高齢グループ人口(65歳以上)つまり83%が白人であるグループを代表していることになります。このグループは、当然現時点で政治的、経済的に権力を握っている年齢層です。Freyはこのような世代間のギャップが今回のような法律を成立させる大きな要因となったと述べます。ヒスパニック系の政治活動をしている人々の口からは「白人優位主義者は今懸命に自分たちの優位を守ろうとしているけれど、いずれ時間の問題さ。ヒスパニックを始め少数民族が多数派となるにはあと10年も待てばいいのさ」という言葉を聞きます。確かに上記の表によれば、アリゾナの18歳未満の人口のうち白人は43パーセントにしか過ぎないわけですから、現在65歳以上の住民が次第に亡くなり、若い世代が成長するにつれ、アリゾナ州の人口構成は急速に激変することになります。「追い詰められた白人たち(特に高齢者グループ)」が将来を憂えて、自分たちを多数派として保持するために、できるだけ少数民族、特にヒスパニック系の人口を減らしておきたいと望んでも不思議はありません。18歳未満の人たちが18歳になり選挙権を得た時点では、白人優位の政治は次第に崩壊してしまうでしょう。ピアース議員は、法案の作成に際して「白人至上主義」グループなどから支援を受けたという情報もあります。このような解釈に基づけば、アリゾナは時代遅れの州だから今回の人種差別的な法律が成立したのではなく、「時代の先端を行く州」であるがために人口構成の激変に対する反動が今回の法律SB1070の成立の大きな助けになったことになります。

このような解釈は、最近のピアース議員の一連の動きを見ると納得が行くものです。SB1070の成立に気を良くしたピアース議員は、今度は米国憲法14条が米国の領土内で生まれた者は米国市民であると規定しているにも関わらず、州法として「違法移民の子供が米国で出生した場合は、米国市民権を与えない」という法律を成立させようとして運動しています。これは明らかに現行憲法14条違反になるわけですが、将来的には憲法改正のうねりを作ろうとしているようです。非白人の人口を増やさず(つまり非白人の投票数を増やさず)白人優位を保持するためにはこのような市民権を奪うという法律ができれば、ヒスパニック系の人口増加に悩む度合が減ることになります。

全米で反対運動が起きていますが、ボイコット運動が大きくなると、どんな影響がアリゾナに起こりますか。

 
 

アリゾナ州議会がこの法律を通過させ、知事が署名することにより正式に法律として成立するやいなや、全米で、また国際的にも大きな批判の波が起こりまし た。アリゾナ州選出のグリハルバ下院議員などは、人種差別的法律を無効にする運動としての立場から、自らが代表するアリゾナ州ですが、他州の組織、住民、などにアリゾナ州をボイコットする呼びかけをしました。ボイコットの動きは、素早く広がり、すでに実質的に大きな被害をアリゾナ州の経済にもたらしていま す。アリゾナ州で開催される予定になっていたビジネス会議なども数多くキャンセルされ、ホテルや旅行業界は実質的に大きな損失を被っています。数千万ドル、数億ドルの損失となるでしょう。やっと回復してきたアリゾナ経済を直撃し、失業率の改善も遅れるでしょう。

アリゾナ州は、2008年に起こった不動産バブルの崩壊で最も大きな被害を被った州の一つであり、その後の経済は極めて不調です。失業率も高く、経済が回復する見込みは立っていません。そのような状況の中で、いわゆる不法移民の人たちは数十万単位でアリゾナ州に居住していたと言われますが、それらの人々の中でもメキシコなどに帰国したり、ニューメキシコ州やテキサス州などに移住してしまった人々も20万くらいはあっただろうと推定されています。これも議論が分かれるところですが、これらの人々は米国滞在、居住が違法であったか否かは別として、州経済を担う納税者(一部)や消費者でもあったわけです。もちろん不法移民が州経済に与える負担の方が大きかったという議論もあります。この議論は、不法移民が生活保護や医療扶助(Medicaidなど)の対象となったり、病院の救急治療を受けるという形で州経済に負担をかけており、その負担の方が彼らが収める税金(不法移民でも他人のソーシャルセキュリティ番号などを使用して納税している人達も多くいます。。。。その是非は別として事実をみると)より大きいと主張します。実際には、不法移民の数が正確に把握できないし、負担も正確に計算されているわけではないので、どちらの議論がより正統性があるか決めることは難しいでしょう。ヒスパニック系の人たちが多く利用していたといわれるFood Cityなどの店が数多く閉鎖となり、親会社であるBashaスーパーマーケットが破産に追いやられたことをみても、数多くのヒスパニック系の人々が州外に移住してしまったことによる経済的な損失は明確です。

 
  このような情報を鵜呑みにすることはできません。電話世論調査などは、対象となる人々を選択する過程で、自宅に固定電話を持たない人々を除外してしまう(すなわち携帯電話しか保有しない若い世代を除外)、電話に出やすい人たちばかりサンプルに入れてしまう、いつも習慣的に回答をしてもらえる人たちに繰り返し電話して回答してもらうなどという傾向があるため、回答者サンプルに偏りがある可能性が大だからです。テレビのニュースなどでは大多数の州民が賛成しているというような情報が流れていますが、その真偽は厳密な意味で証明されていません。また、いくつもの訴訟が起こっている事実からもわかるように、人種差別的な法律で憲法違反であると信じる人々も多数います。公民権法を通過させるまでに多くの人種差別にぶつかり闘争が必要であったことを考えてみれば、また例え州民の大多数が支持していることが事実であっても、多数が支持すれば正しい法律であるとは限らず、裁判所の判断を仰ぐことになるでしょう。最高裁判所での判断を待つことになるかもしれません。

もし私達日本人が警察から職務質問されたら、どんな対応をしたら良いのでしょうか。

 
  日本人でも特にゴルフ焼けなどして比較的お肌の色が黒い方々は少々心配する必要があるかもしれませんね。職務質問の対象となった場合を考え、この法律が実際に実施となった場合(いくつかの裁判が起こされており、裁判所が法律の効果を「一時差し止め(Temporary Injunction)命令」を出して一時的に無効にするという可能性も残されています)、グリーンカード携帯、Naturalization Certificate(市民権取得証明書)パスポートのコピーなどを携帯するという自衛手段を取られた方がよいかもしれませんね。

オバマ政権はどのような対応をしようとしていますか。

 
  アリゾナのSB1070が成立するや否やオバマ大統領は「この法律は誤っている」と批判し、同時に連邦政府(議会を含む)が責任をもって移民法改正をできるだけ早期に実施しなければならないと述べています。しかし、具体的には、まだ何も動きは起こっていません。11月の中間選挙までに移民法改正法が成立し大統領が署名することは期待できない可能性が高いでしょう。
   
 
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