ガルシア警察署長は語る

本年1月に新市長を迎えたフェニックス市は、5月、ダニエル・ガルシア氏を新警察署長に任命した。ガルシア氏は、長年テキサス州ダラス市の市警副署長として任務に就いていた。スペイン語を話すヒスパニック系の警察署長であり、警察署管理職の事務経験を積んだ彼を選んだフェニックス市。精力的に市内各地を回る彼を迎えたものは、不法移民を取り締まる目的で可決されたSB1070という州法をめぐる混沌としたアリゾナだった。
今月は、この新警察署長ダニエル・ガルシア氏にインタビューしてみた。

 

 

まず、地元の地域社会との関係、警察署内の警察官との関係、そして市の行政府との関係の3つに焦点を当てて来ました。私はフェニックスに着任する少し前に、警察の目的観を明確にしようと、5つの柱を立てました。それは、民主主義、正義、奉仕、公正、保護というものです。この目的観を明確にして、地域社会、警察署内、市行政府に接していくことが重要だと思っています。そして、人間尊厳の倫理観が大切です。このことを明確に打ち立てた警察を作っていくのが私の使命だと思っています。
私は、警察官一人一人に、なぜ君は警察官になったのか、を問いています。ただ単に仕事として捉えるのか。それとも目的観とか使命感をしっかり持っているのか。これは大切なことです。昨今の厳しい経済状況で、中には職にあぶれて警察官となってきている人もいるかもしれません。しかし、ただの個人的な収入源として仕事をとらえるのではなく、警察官として「心」を持たなければいけないと思っています。私たちの仕事は、奉仕にあるのです。
たとえば、警察官が酒飲み運転で逮捕されるなんてことは、許されません。全員がきちんと倫理観を持って行動するように努めていきます。
警察官は、正式に警察官となる時点で、皆、宣誓をしなければなりません。しかし、これまで一回宣誓をすれば、通常、その後に何年も何十年もしないままで良かったのです。私は、フェニックス警察署内で、これから毎年1月に全員が宣誓をしていくようにしようと思っています。私だって、ダラスで警察官として宣誓したのは、34年前に一回だけです。しかし、時にはその新鮮な決意を思い出させることが大切だと思います。そこで、このアイデアをに到達しました。宣誓の度に警察官全員の目的観を新たにできるようにしようと考えています。

 
 

まず、あなたは合法的に学生として入国してきているので、その後のことは、市の警察が関与することではありません。それは、連邦政府、移民局の仕事です。ともあれ、私たちは、まず、違法行為に対する「妥当な容疑」を打ち立てる必要があります。これは、簡単nあことではありません。信号無視、スピード違反、強盗、殺人など、法律を破った行為に対する「妥当な容疑(リーゾナブル・サスピション)」を確立した後、初めて、その人に対して移民のステータスを聞くことができるのです。

 
 

そうです。「妥当な容疑」というのは、かなり幅の広い観点からその人物にアプローチしないと可能ではありせん。たとえば、住所を聞いても明確に答えないとか、名前を何度も聞いても反応がなかったり、何回も違う名前を名乗ったりということがあります。報道関係者からはよく「妥当な容疑」の意味を明確にせよと言われます。しかし、これは、誠にむずかしく、現実には、その時の事実関係、そして周囲の状況などから「妥当に」「容疑」を確立していきます。
フェニックス市では、このように警察官を訓練してきています。警察官の訓練に関しては、かなり精力的に行ってきました。6月の最高裁判所によるSB1070の判断以来、2,500人の警察官を訓練しました。今週末までには、全員の訓練を終ろうとしています。とにかく、この件は、大変重要です。軽々しく対処する訳にはいかないのです。

 
 

フェニックス市警には、3,000人の警察官がいます。その中で約400人がヒスパニック系です。その全員がスペイン語を話すかどうかは、わかりません。その他、黒人、アジア系、女性など、できるだけ広範囲な人々を採用してきました。多様性は、その地域を反映するものですから、重要です。

 
 

はい。私の両親はアメリカで生れましたが、祖父母はメキシコから移民してきました。そして祖母の家族はスペインにいます。そんな家族の中で育ちましたので、スペイン語と英語のバイリンガルとなりました。ヒスパニック系の人にスペイン語で話しかけることは、相手に安心感を与えるので、大切です。

 
 

これは難しい。ただ私は、自分の仕事に確信を持っています。数値で表したら、そうですね、、、8です。あと2は、時間ですね。私はいつも謙虚でなければならないと自分に言い聞かせています。まだまだしなければならないことはたくさんあります。でも最終的には、私の仕事の評価は、フェニックス市政府と地域社会の人たちにゆだねることになります。

 
 

初めてフェニックスに来た時、私は正直驚きました。フェニックスは何ときれいなんだろうと。清潔です。他の町とは比較になりません。その上、自然が素晴らしい。山々や美しい木々。ダラスには山はありません。このフェニックスで、犯罪を減少させたい、これが私の最大の目的です。

 
 

妻がまだダラスにいます。10月にフェニックスに移ってきます。子供達は、26歳の息子と20歳の娘がダラスにいます。彼らはフェニックスには来ません。ダラスで生活を確立しようとしてます。息子は大学を卒業して、サクソフォン奏者をしています。そして娘は看護婦を目指しています。

趣味は?  
  盆栽と絵画が好きです。盆栽は8年程前から興味を持ってやってきました。盆栽も絵画も形を作り上げるという点でよく似ていると思います。その他スポーツは何でもやってきました。プロボクシングの判定員もしました。
今日は、お忙しいところをインタビューに応じていただき、大変有り難うございました。  
 

よくお越し下さいました。またいつでもお話しましょう。

 

地元マイノリティーの団体に出向き、会合であいさつする署長