ワイルドウエストと自然保護の町、
ケーブクリーク(1)

フェニックスのすぐ北にある西部劇に出てきそうな町。それがケーブクリーク。19世紀後半にこの地にやってきた白人が砂漠の真ん中に洞穴のを見つけた。そして、そこに小さな川の流れがあり、ケイブ(Cave=洞穴)とクリーク(Creek=小川)なので、ケイブクリークとなった。日本人の間では、ケーブクリークと呼ばれているので、本誌でもケーブクリークと呼ぶことにする。まだ、アリゾナが準州だった昔、州都はプレスコットにあり、南のフォート・マクドウェル(今のファウンテンヒルズ)までの軍事用道路がケーブクリークに作られた。軍事用といっても馬が歩く道なので、今のような大きな広い道路とはわけが違うが、その頃に彼らが見つけた洞穴と小川が今のケーブクリークの近代史出発点となったようだ。
最近、ケーブクリークの町が北部にあるスパー・クロス・ランチという2,100エーカーもの広大な土地を買収した。近代化の流れで土地開発による自然破壊からこの一帯を保護しようという目的だった。
今回から数回にわたって、このワイルドウエストを残しながら、砂漠の自然も昔のように残していこうとしている町、ケーブクリークを歩いてみよう。

ダウンタウン

ケーブクリーク博物館
   
ケーブクリーク博物館

 

その地の歴史を知るには、まず、博物館に立ち寄るのが一番の早道かもしれない。ケーブクリークにも全く目立たない住宅街の一角に博物館が建っている。この博物館は、1968年に住民の有志が集まって始めた歴史協会が創立したものだ。この博物館の建設にあたって、多くの住民から寄付が寄せられた。博物館の外庭にある教会は、ケーブクリークの町で初めてできた教会で、この建物も寄贈品のひとつだ。博物館の建物とその敷地そのものも歴史協会に贈呈されたものである。1987年には、博物館がさらに拡張改造され、今に至っている。
館内には、古代原住民が遺していった壷や生活品などの展示から、白人が見つけた鉱山の歴史、そして牧場や草創期の入植者の生活を描写する品々が次々と視覚に入ってくる。
また、外庭の教会の隣には、大変ユニークな小さな小屋が設置されている。これは、結核小屋と呼ばれるものだ。1920年、1930年代にアメリカ人を襲った結核菌。結核患者たちは、アリゾナの乾燥した地に療養を求めて、東海岸などから引っ越してきた。こうした患者が療養する小屋として作られたのが、この結核小屋だった。その小屋のオリジナがそのまま寄贈されて、展示されている。これは、2001年にアメリカ合衆国国家歴史登録財に指定された。
開館は、毎週金曜日を除く水曜日から日曜日の午後1時から4時半まで。金曜日は、午前10時から午後4時半まで。ただし、6月から9月の間が夏期休館となっている。

 
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