フェニックス美術館で甲冑展

このほど、アリゾナで日本の甲冑の数々が展示され、フェニックス美術館にて展示会がオープンされた。
甲冑は、日本の伝統的な戦争防具で、兵士がそれを身につけ戦闘に向かったものだ。日本では、古来から戦争用の甲冑が見られるが、平安時代に武士が出現してから、大鎧と呼ばれる騎乗の上級武将が着用する鎧が出現し、軍事政権が始まる鎌倉時代に普及した。その後、武器や戦闘形態の変遷で、改良が加えられてきた。
江戸時代になると、その戦闘がなくなり、大名など上級武士が甲冑をその象徴として武家屋敷に飾り、刀と共に珍重した。
明治時代になり、廃刀令で武士自体の存在がなくなると、甲冑も戦闘用として存在意義が消滅する。明治の開国と共に、海外から外国人が日本を訪れ、多くの日本の甲冑が競売され、海外に持ち出され始めた。芸術品としての甲冑は、ヨーロッパやアメリカなどの各地で高い評価を得て、海外のコレクターも増えてきた。
今回、フェニックス美術館で開かれている展示会では、現在、テキサス州ダラス市に住むガブリエル・バービー・ミューラー氏が長年に渡って収集してきた日本の甲冑が披露される。日本でも中々見ることができない稀なコレクションが多く、今回の展示会は、必見のチャンスである。
今月は、この展示会に足を運んだ。

「サムライ」

この展示会は、「サムライ」というタイトル。テキサス州ダラス市のアン・アンド・ガブリエル・バービー・ミューラー博物館からフェニックス美術館に移されて、140点もの甲冑、兜、刀、馬胄(ばちゅう)などが展示されている。
とりわけ、兜に付けられた立物(たてもの)の種類が多様で興味深い。立物とは、額の部分や側頭部などに付けられた装飾部品のこと。
立物は、室町時代から戦国、安土桃山時代に多く作られ、武将の自己顕示欲を現す手段だった。「鍬形(くわがた)」は、農具の鍬の先に似ていて、最もポピュラーなものだ。昆虫の「クワガタムシ」は、この「鍬形」から名前が付けれらた。その他の立物は、龍、鬼、家紋などが使われている。当時、武士の間で深く信仰されていた仏教の影響で、不動明王や毘沙門天をあしらったデザインが用いられている物も多い。

 

ガブリエル・バービー・ミューラー

 

元々、スイスのジュネーブ生まれ。両親が美術品などのコレクターで、子供の時から親と一緒に骨董品などのコレクションの旅に連れて行かれた。彼が14歳の時に、フランスのある骨董品店にあった日本の甲冑に目が止まった。親は全く関心を示さなかったが、この時に彼は甲冑の美に強く惹かれたようだ。
彼は、1988年、不動産会社を創設し、世界的な規模で開発投資事業を発展させてきた。その中、時間を見つけては、こうした甲冑のコレクションに時間を費やしてきた。

 
   
 

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