夏バテと熱中症対策

 みなさん、お元気ですか?先週、日本から無事にアリゾナに戻りました。今回の帰省は、いつになく手続きが多く、精神的にも体力的に疲れる行き来でしたが、2年ぶりに少しでも親孝行ができたかな、と思っています。合計6回もPCR検査をしたおかげで、唾液を出すのが上手になりました。(笑)日本も梅雨明けと共に猛暑かと思えばゲリラ豪雨など、蒸し暑い日々でした。アリゾナも、去年に比べると雨が多く、少し蒸し暑い今日この頃ではないでしょうか。みなさん、夏バテされていませんか?アリゾナでは、年間約3000人の方が熱中症など暑さを原因とする症状で病院にかかっています。(参照)発見や対処が遅れると、時に命にも関わる熱中症。40度を超えるアリゾナではもちろん、いまや世界各地でも他人事ではありません。ぜひ、夏バテ対策と一緒に熱中症対策も、見直してみましょう!

夏バテの症状

 夏バテとは、「体がだるい」「食欲がない」「胃腸の調子が悪い」「下痢をする」「体重が落ちる」「頭が痛い」「疲れやすい」「めまいがする」「寝不足」などといった、夏の暑さによる体調不良の総称です。原因としては、冷房のあたりすぎによる体温の調節不良、食欲減退による栄養不足、水分・冷たい飲み物の飲みすぎによる消化機能の低下、発汗によるビタミン・ミネラルの消耗、暑さによる睡眠不足などによって、体力が消耗されることなどが考えられます。私たちの体は、自律神経の働きによって暑さを感じると汗をかき、熱を放散して体温を一定に保っています。特に、冷房で冷えた室内と暑い室外を行き来することで、この自律神経のバランスが乱れ、体温調節機能が低下することで、だるさや頭痛、めまいや手足の冷えなどの夏バテ症状が起こりやすくなります。

夏バテ対策

 夏バテを予防するには、日ごろからの生活習慣を整えておくことが大切です。一日のうちでも、特に朝の過ごし方がとても重要です。起きてすぐに朝日を浴びて、朝食をとることで、体内時計をリセットし、生活のリズムを整えることができます。また、室内外の温度差が5度以上になると、自律神経が乱れやすいと言われています。体の冷やしすぎには注意しましょう。

①規則正しい生活と適度な運動を心がけ、生活のリズムを整える。
②胃腸に負担をかける冷たい飲食物、生もののとりすぎを避ける。
③消化のよいたんぱく質、ビタミン、ミネラルなどをバランスよくとる。
④外出時など、温度調節が難しい場面では、上着などで自己調節する。
⑤質のよい睡眠を十分にとり、疲れを次の日に残さない。
⑥冷房や扇風機を上手に使い、室温や湿度を調節する。
⑦ぬるま湯にゆっくりつかり、全身の血行を促進し、体内にこもった熱を効率よく発散する。

 

熱中症にもご注意

 熱中症とは、暑い環境で生じる健康障害の総称で、症状によって分類されます。

①熱失神・・・皮膚血管の拡張による血圧低下、脳への血流低下 症状:めまい、顔面蒼白、脈が速く弱い、一時的な失神
②熱けいれん・・・大量の汗をかき水分のみを補給した場合、塩分濃度(ナトリウム)が低下することによる筋肉のけいれん 症状:筋肉痛、手足がつる、筋肉のけいれん
③熱疲労・・・脱水状態 症状:倦怠感、吐き気、嘔吐、頭痛、もうろうとする
④熱射病・・・体温上昇のため脳の中枢機能に異常。意識障害やショック状態になる場合もあり 症状:体温上昇、呼びかけや刺激への反応がにぶい、言動が不自然、ふらつき、めまい
 
熱中症の対策

 一般的に、人の1日の水分出納は約2.5L(尿:約1,500ml、不感蒸泄(呼気や皮膚):約900ml、便:約100ml)と言われています。夏場は汗をかく分、意識して水分の摂取を心がける必要があります。ただ、水分補給として一度に大量の水を摂取すると、かえって体内の電解質バランスを崩して体調不良を引き起こしてしまいます。飲む量は、かいた汗の量を目安に、汗で失われる塩分(ナトリウム)もきちんと補給することが大切です。また、汗腺が未発達な乳幼児や身体機能が低下している高齢者などは、より注意が必要です。

①のどが渇く前のこまめな水分補給
②ただの水ではなく、塩分(ナトリウム)や糖分の入っている補水
③風通しのよい服装
④直射日光にできるだけ当たらない
⑤日中を避けて行動
⑥車の中に人を取り残さない
⑦自分の尿の色、回数を確認する  

 首の横や脇の下、足のつけ根など、太い血管が通っている部分を冷やすと、効果的に体温を下げることができます。万が一、熱中症のような症状を起こして意識がないような場合は、すぐに医師の診察を受けましょう。

夏バテ予防の食事 

 夏バテしない体作りには、栄養の整った食欲を増進させる食生活も大切です。エネルギー代謝を助け、疲労回復に効果のあるビタミンB群をとりましょう。特にビタミンB1を多く含む、豚肉がおすすめです。ビタミンB1は、他にも豆腐、ゴマ、枝豆、落花生、ウナギなどにも多く含まれます。また、食べ合わせとしては、ニンニクやネギなどに含まれる「アリシン」がビタミンB1の吸収をよくしてくれます。しょうがや青じそなどの香味野菜や、カレー、ウコン、シナモンなどの香辛料は食欲を高めます。特にウコンは、胃腸の働きを整える作用もあるので、おすすめです。

終わりに 

 電力は限りあるものですが、このアリゾナ、電気がとまったらどうなるのでしょうか。想像しただけで恐ろしいですね。水不足も考えると、限りある資源、大切に使いたいものです。エアコンと水分。アリゾナの夏を乗り切るには、なくてはならない必需品。どうぞ新学期が始まる8月。お子様方の水分補給にも気を付けつつ、家にいるみなさんもこまめに水分補給を心がけてくださいね。“Drink Water!!” アリゾナに来たら、みんなに言われる言葉。ぜひ、みなさんもこの暑い夏を涼し気に乗り切りましょう!!

 

参照:https://www.azdhs.gov/documents/preparedness/epidemiology-disease-control/extreme-weather/pubs/heat-related-illness-emergency-department-and-inpatient-admissions-in-arizona-by-year.pdf

 


 

尾中景子

福岡県出身。2002年、熊本大学薬学部卒業。九州大学病院に約7年間勤務。主に医療チームの一員として入院患者への服薬指導、学会への論文発表、学生の指導などを主な仕事とする。2009年、結婚を機にアリゾナに移住。2016年、自分の好きなことを始めよう、と元々興味のあったアロマセラピーの世界へ。ハワイ・カイルアの米国NAHA協会認定校 Ohana Healing Instituteにて、オンラインや現地での勉強を重ね、クリニカルアロマセラピスト・ハワイアンヒーリングハーブの資格を取得。現在、日本語で米認定アロマセラピーの資格が取れるスクールKokopelli Healing Arizona主宰。他に、にほんごであそぼ&つくろin Arizona~日本をつなぐ~主宰。
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